開催概要
1960年代後半、日本社会では制度や価値観への疑問が高まり、美術や芸術の世界でも表現や制度のあり方が大きく揺らぎ始めました。長野県・諏訪には、絵画や彫刻といった物質的な作品から距離をとり、「ことば」や「行為」を通じて哲学的に社会と向き合おうとする前衛たちが集いました。当時、下諏訪町には観念美術を提唱していた松澤宥がおり、全国的にも注目されていました。そのため、これまで彼らの活動は松澤宥を中心に語られてきましたが、本展では、個々の作家やイヴェントに着目し、残された写真や書簡、展覧会資料などを手がかりに、それぞれの表現や関係性を紐解きます。諏訪の豊かな自然と文化に影響を受けて彼らが試みた表現をご覧いただける貴重な機会となります。
かみ派の「かみ」は紙です。非物質な芸術を目指した彼らは、表現や記録の媒体として「紙」を使いました。「かみ派」は当時彼らを示すために一部の関係者によって総称として使われていた言葉です。彼らの作品に込められた思想や交流の軌跡を感じていただければ幸いです。

